低体温症の恐怖
トムラウシ山事故が私たちに教えた最も重要な教訓は、低体温症の恐ろしさです。
夏山であっても、悪天候下では短時間で命に関わる状況になり得ます。
適切なレインウェア、速乾性のアンダーウェア、保温用の衣類は必須装備です。「まさか7月に」という油断が、8名の命を奪いました。
低体温症の初期症状—震え、判断力の低下、呂律が回らなくなる—を見逃さず、早期の対応が生死を分けます。
そして何より、症状が現れる前の「引き返す勇気」が最も重要な安全策なのです。
安全登山への提言
ガイドツアーへの過度な依存は禁物です。ガイドも人間であり、判断ミスを犯す可能性があります。参加者自身も気象判断や装備選択、体調管理についての基本的な知識を持っておきましょう。
中高年登山者は特に、自分の体力と経験を客観視してください。
過去の成功体験が、異なる環境では通用しないこともあります。
そして、登山における最も大切な格言を忘れてはいけません。
「山は逃げない」
無理をして登る必要はないのです。安全に帰宅してこそ、次の山行が約束されるのですから。

